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法人成りを考えるタイミングとメリット

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〜個人事業から次のステージへ進む判断基準〜

個人事業を始めて数年。
売上も安定し、取引先も増えてきた。
そろそろ「法人化」を考えたほうがいいのかな?

そんな相談を受けることが、年々増えています。

法人化(=法人成り)は、単に「会社をつくる」ことではありません。
目的は「より良い経営を継続すること」。
この記事では、実際の現場でよく聞かれる質問をもとに、
法人成りの判断ポイントと具体的なメリット・注意点をわかりやすく解説します。


目次

1. 法人化を考えるタイミングとは

一言で言えば、「利益が安定してきたとき」が判断のタイミングです。

具体的には、

  • 年間利益(売上-経費)が 500万円を超えた頃
  • 事業を今後も 5年以上継続する見込み がある
  • 仕入先や取引先が 法人との取引を求めるケース が増えた

このあたりが「法人成りを検討するサイン」です。

個人事業主として軌道に乗った後、
税負担や信用面で法人化を選ぶ方が多いのが実情です。


2. 税金面のメリット

💰 法人税は「利益が増えるほど有利」

個人事業の税金(所得税)は累進課税といって、
利益が増えるほど税率が上がります。

課税所得税率
195万円以下5%
330万円以下10%
695万円以下20%
900万円以下23%
900万円超33〜45%

一方、法人税は中小企業なら おおむね15〜23%程度 に抑えられます。

たとえば利益が800万円を超えるあたりから、
個人より法人の方がトータルの税負担が軽くなるケースが多くなります。


👥 給与所得控除が使える

法人にすると、自分の報酬を「給与」として支払うことができます。
これにより、「役員報酬」として経費にできるうえ、
個人側でも給与所得控除を受けられるため、
二重に節税効果があります。


🏠 家族への給与も経費にできる

個人事業主でも「専従者給与」という制度はありますが、
制約が多く柔軟性に欠けます。

法人化すれば、配偶者や家族を従業員として雇用し、
給与を支払うことで完全に経費計上できます。
家族経営をしている場合は、大きな節税効果を見込めます。


3. 信用面のメリット

法人になると、取引先や金融機関からの信用が上がります。

  • 「法人名義」で契約ができる
  • 取引先からの印象が良くなる
  • 法人銀行口座が開設できる

特に、企業案件や行政の入札・補助金申請などでは、
法人格があるだけで選定対象に入りやすくなることもあります。

また、会社を残すという点でも法人化は強いです。
個人事業は廃業すれば消滅しますが、
法人なら代表者が交代しても事業を続けられます。


4. 社会保険面の違い

法人になると、社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が義務になります。
「保険料が高くなる」と感じる方もいますが、
その分、将来受け取る年金や保障内容が大きくなります。

法人化の社会保険加入は、
「個人事業の国保・国民年金」から
「協会けんぽ・厚生年金」へのステップアップ。

特に老後資金をしっかり準備したい人にとっては大きなメリットです。


5. 法人成りの注意点

もちろん、法人化にはデメリットや手間もあります。

  • 設立費用がかかる(株式会社で約20万円〜)
  • 会計処理・決算書の作成が複雑になる
  • 社会保険料の事業主負担が増える
  • 役員報酬の変更は期中に柔軟にできない

つまり、「税金が安くなる=すべて得」とは限りません。
利益が少ない段階で法人化すると、逆に手間とコストが増える場合もあります。


6. 現場でよくある法人化のステップ

私の支援してきた事業者の多くは、
次のような流れで法人化しています。

  1. 個人事業でまず軌道に乗せる(売上・利益を安定させる)
  2. 2〜3年分の決算データを整える(金融機関・補助金対策)
  3. 会計ソフトで法人化に対応できる体制をつくる
  4. 法人設立+税理士契約(顧問を入れて管理強化)

この流れで進めると、トラブルも少なくスムーズに移行できます。


7. 個人と法人の「ハイブリッド経営」もあり

最近では、法人化しても個人事業を並行して残すケースも増えています。

たとえば:

  • 法人:メイン事業(BtoB・補助金案件)
  • 個人:副業・講師業・デザイン業務

この形にすると、業務内容ごとにリスクを分散でき、
税金面でも柔軟に調整できます。

「すべてを法人に移す」よりも、
“リスク管理+節税+柔軟性”を意識した運営が現実的です。


8. まとめ:法人化は「次の挑戦の入り口」

法人化はゴールではなく、スタートラインです。
目的は、税金を下げることではなく、
信頼を得て事業を継続・拡大すること

  • 利益が安定してきた
  • 取引先が増えた
  • 次の成長ステップに進みたい

そんなときこそ、法人成りを前向きに検討してみてください。

法人化は、あなたの事業に「未来の選択肢」を増やす手段です。
きちんと準備をすれば、負担ではなく、確かな武器になります。

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プロフィール

kiyoyo kiyoyo 中小企業診断士

これまでに500件以上の小規模事業者の相談を受けてきました。
「やりたいことをどう形にするか」「どうやって続けていくか」——
そんな悩みに寄り添いながら、創業から事業計画づくりまでを一緒に考えてきました。

もともとは金融機関に勤めており、6年間にわたり融資業務を担当。
数字の裏にある「想い」や「ストーリー」を大切にしながら、資金調達のサポートも行ってきました。

このブログでは、初めての個人事業や起業に挑戦する方に向けて、分かりやすく、実践的な情報を発信しています。

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